新築一戸建て・注文住宅・リノベーション・中庭のある家・二世帯住宅・狭小住宅・ガレージハウス・平屋・別荘・土地探しからの住まいづくり
東京都練馬区の設計事務所(最寄駅:西武池袋線 石神井公園駅)
Miura Architect Atelier
唯一無二の住まいづくり
一級建築士事務所
三浦尚人建築設計工房
土地探しコラム#1「南側道路の土地ってホントにいいですか?」
新聞の折り込み広告などに入っている不動産広告チラシの宣伝文句で「南側道路で日当たり抜群!」というのをよく見かけると思います。
皆さんはそういう言葉から知らない間に「南=日当たり良好=いい土地」という先入観をお持ちになっていないでしょうか?
もちろん、そのことに対して異議を唱えようとは毛頭ありませんが、メリットばかりではないということを知っていただきたいと思います。
一般的な住宅地では、それぞれの土地に対して建築基準法による道路斜線や北側斜線といった斜線制限を受けます。
南側道路の土地の場合、道路斜線は南側から、北側斜線は北側(真北)からと、それぞれ二方向から斜線制限を受けて削られて建築できる範囲(ボリューム)が小さくなります。
さらに南側道路の土地の場合、玄関アプローチやカーポート、ガレージといったスペースはおのずと道路のある南側に設けるケースが多くなり、せっかく日当たりの良い1階の南側に採光を必要としないスペースが占めてしまいます。
また、1階にリビングを南側に配置してその前に庭を設けた場合には道路からリビングが丸見えになるため、その対策も必要になります。
南側道路の土地で1階の南面にリビングがあるのに、一日中レースのカーテンが閉まっている家をよく見かけたりします。
言うまでもありませんが、南側道路の土地でも住みやすくて、外部から覗かれず、日当たりのいい家の設計は可能です。
どんな条件の土地でも住み心地の良い家を設計することが、我々設計事務所の仕事ですから。
しかし一方、悪条件と思われがちな北側道路の土地は道路も北側のため、道路斜線と北側斜線とが同じ北の方角からの制限を受けるので、建築可能なボリュームは南側道路の土地よりも大きくなります。
もちろん、建ぺい率と容積率の許容範囲内での話ですが。
北側道路ですと、玄関やカーポートといったスペースも北側に配置されて、南側にリビングやダイニングスペースを持ってくることが容易になります。
なかなか文章のみでの説明ではわかりづらいと思いますが、むしろ北側道路の土地のほうがメリットも多いのです。
住宅地の場合、建ぺい率は50%前後であるので北側道路の土地でも設計次第で日当たりが良く、住み心地のいいプランが十分可能なのです。
不動産価格の観点からすると、断然南側道路の土地のほうが北側道路の土地より高価ですし、資産価値もいいでしょう。
ですが、これから土地を探して住まいづくりをお考えの方に対して、私はむしろ「北側道路の土地」をお勧めします。
<北道路の土地の設計事例>