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東京都練馬区の設計事務所(最寄駅:西武池袋線 石神井公園駅)
Miura Architect Atelier
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一級建築士事務所
三浦尚人建築設計工房
土地探しコラム#13「北道路の土地のメリット」
<北道路>の土地と聞いてどういう印象をお持ちになりますか?
「日が当たらないし、条件の良い土地とは言い難く、メリットなんて無い。」と思う方がほとんどではないでしょうか?
でも本当にそうでしょうか?
設計事務所の立場から言うと、デメリットよりもむしろメリットが多いと思います。
では具体的に言いますと、まず建築基準法での斜線制限によるメリットが挙げられます。
一般的な住宅地では、真北からの北側斜線制限と道路側からの道路斜線制限の二つの斜線制限を受けます。
この場合、<南道路>の土地は、真北から北側斜線制限を、反対側の南からは道路斜線制限を受け、建築可能な空間ボリュームが南北両方向から制限を受ける分小さくなってしまいます。
一方、<北道路>の土地は、真北から北側斜線制限を、同じ北側から道路斜線制限を受けるので、建築可能な空間ボリュームは北側からのみ制限を受ける分大きくなり、設計の幅が広がります。
また、住宅の設計をする上でもメリットはあります。
以前に設計監理をした「借景を取り込む家」という住宅は土地探しから携わったケースで、北道路の土地です。
下の写真をご覧になってお気付きになる点はございますか?
玄関とカーポートは、道路のある北側に面していますね。
人や車の出入りはもちろん道路を通ることになるので、当たり前と言えばその通りです。
つまり、玄関とカーポートの位置は道路のあるほうを向いていて、それは北側です。
これがもし、南道路だったらどうなるでしょうか?
日当たりを必要としない玄関やカーポート、ガレージといったスペースが道路のある南側に来てしまう可能性が多くなってしまいます。
さらに、プランニングをする上でやはり日当たりのいい場所に一家団らんのスペースであるリビング・ダイニングやお庭を配置したいと誰もが希望されると思いますが、<南道路>の土地では、それらのスペースが日当たりのいい道路のある南側になってしまい、塀や垣根などを設置して道路側からの視線を遮る工夫をしなければなりませんが、<北道路>の土地の場合、リビング・ダイニングや庭が道路のある北側と反対の場所に配置されるケースが多いので、道路側からの視線を気にする心配はありません。
住宅地を歩いていると、南道路の土地に建っている家で玄関とカーポート、ガレージが日当たりのいい南に配置され、庭の様子が丸見えで、干された洗濯物まで目に入ることもしばしばあり、道路からの視線が気になるのか、せっかくのいい天気なのに南面の窓のほとんどをカーテンで閉め切られた状況をよく見かけます。
ただし、敷地にゆとりがあり、設計の工夫によってそうならないプランニングももちろん可能ですし、出来ます。
しかし、住宅を設計する立場から申し上げると、不動産価格から考えてみても<北道路>の土地のほうがメリットは多いと考えます。